ウマブドウとは、
深い主根からなり、茎が根本から分岐する落葉性、つる性の低木植物です。多年性で日本各地に分布しており、学名はブドウ科ノブドウ属(Ampelopsis)ノブドウ(Ampelopsis brevipedunculata var. heterophylla)といいます。ウマブドウの名前の由来ははっきりしませんが、日本の各地で呼び名が分かれています。
各地の呼び名
イヌブドウ・イヌブンド・インガネブ・ウシブドウ・ウマノメダマ・ウマブドウ・カラスエビ・カラスブドウ・サルブドウ・ドクブドウ・ドクボッコ・ドスブドウ・ネコブドウ・ネゴブドウ・ハコボレ・ヘビブドウ・メクラブドウ・メクラブンドなど。
ノブドウには、近縁種のエビズルやヤマゴボウなどがあり、これら近縁種には猛毒が含まれているものもがありますので、十分に注意する必要があります。北海道の十勝地域に広く分布しているウマブドウは、民間療法として古くから使われ多くの言い伝えがあります。 葉はギザギザして光沢があり、花は小さい白緑色をつけます。花期は6月から8月頃。その後、種を含む7〜9 mm ほどの小さな丸い実をつけ、黒色の小斑点があり、緑色、青色、紫色、ピンク色または黄色と経時的に様々な色変を示します。
ノブドウ属の成分調査やフィトケミカルに関するこれまでの学術研究から、β-amyrin、betulin、バニリン酸、没食子酸エチル、kaempferol、aromadendrol、そしてレスベラトロールなどが単離され、それぞれの効用が報告されています。なかでもノブドウ属の葉と果実のシクロヘキサンまたはメタノール抽出エキスは、微生物に対する強力な細胞障害活性(抗菌作用)と抗ガン作用[1、2]を示すことが示唆されています。
民間伝承の万能薬と言われるウマブドウは、主に消炎、鎮痛、抗菌、血行促進などに使われていましたが、近年の学術報告などから生活習慣病の際の予防や治療などに愛用されてきています。近年、獨協医科大学の発表[3]によると、肝細胞に対して効果があり、肝炎などの抑制効果が示唆されています。
一方、成分は必須アミノ酸がどの植物よりも豊富に含まれ、蛋白質はバナナの約3 倍、食物繊維はイチジクの約4倍含まれています。ビタミンC はアセロラに次いで多く、ビタミンA(βカロテン)はプルーンの約3 倍、ポリフェノール量は赤ワインの約2 倍含まれていることが知られています。特にカテキン系ポリフェノールの含有量は最も多く、優れた血液浄化作用の他に抗菌作用、鎮痛作用があります。更にレスベラトロールとの相乗効果に長寿やアンチエイジング効果が期待されています。
これまでに報告されているウマブドウの学術的な作用をまとめると次のように報告されています。
1)鎮痛作用
2)利尿作用
3)消炎作用
4)止血作用
5)解毒作用
6)血流改善作用
7)抗腫瘍作用
8)抗菌作用
伝承的に愛用されてきたみなさんの声をまとめると次の症状などに効果が認められています。
かゆみ、風邪、気管支炎、口内炎、アレルギー、花粉症、鼻炎、喘息、虫さされ、火傷、水虫、打撲、打ち身、捻挫、骨折痛、胃潰瘍、肩こり、腰痛、神経痛、血液浄化、脂肪肝、肝炎、肝硬変、糖尿病、高血圧、腎炎、むくみ、利尿、前立腺肥大、骨髄炎、乳腺炎、悪性腫瘍などに効果があるとされています。
我々が行った調査によると以下のことが示唆されました。今回は、抗酸化作用を示す化合物の単離同定を行うことを研究目的とし、新たに抗炎症作用や抗腫瘍作用を示す化合物の単離同定を検討しました。
抽出と隔離: ウマブドウの果実を粉細にして、エタノールを用いて室温で抽出を行い、その後エキスを凍結乾燥行った。その後、n-Hexane、酢酸エチルと精製水で液々分配して液性を分け、物性の特性に従って、酢酸エチル層から得られた複合物をカラムに通して、MeOH/CHCl3 の液性で流しながらフラクションごとに抽出物を回収しました。さらにフラクション2のエキスは、シリカゲルカラムを使用しEtOAc/n-Hexan を用いて再分離抽出を行いました。さらに、フラクション2を1〜10 の液性に分離し各フラクション分画をSephadexLH-20 を用いて洗浄、再分画を行いながら各抽出エキスを分離しました。最終的に MeOH/CHCl3 で洗い流されるシリカゲルカラムの回収物を得ました。
今回の試験で、下記に示したように、ウマブドウに含まれる主な抗酸化剤として、カテキン、没食子酸、没食子酸エチルが単離されました。ケルセチンを対照として抗酸化作用をDPPH 法によって評価し特性を確認したところ、この3成分が主成分として抗酸化作用を示すことが示唆されました。
カテキンの構造式
没食子酸の構造式 没食子酸エチルの構造式
参考論文
1 Xu Z, Liu X, Xu G. (1995) Chemical constituents of roots of Ampelopsis brevipedunculata. China Journal of Chinese Material Medica, 20 (8), 484-486
2 Kundakonic T. (2008) Cytotoxic, antioxidant, and antimicrobial activities of Ampelopsis brevipedunculata and Parthenocissus tricuspidata (Vitaceae). Archieves of Biological Sciences, 60 (4), 641-647
Rikishi-Tea(SUMOU Tea)
Healthy tea for those who are concerned about rising blood sugar levels after meals
【name】Blend teas
【Raw material name】
Monk fruit (Made in China), Ampelopsis brevipedunculata
var. heterophylla Leaf stalks, Salacia Extract, dextrin
【Contents】90 g(30 Tea Packs)
【How to store】Avoid direct sunlight, high temperature and
humidity, and store in a cool place.
How to eat
When eating, pour boiling water into one pack, steam it, shake it up and down about 15 times, and then take it out and drink.
Suggested amount
1 tea pack per day (3 g), Amount of hot water 200 ml, Steaming time: 2 min
Ingredients (1 tea pack 3 g)
energy 11.4 kcal
protein 0.42 g
lipid 0.08 g
carbohydrate 2.244 g
Salt equivalent 0.002 g
Salacinol 0.4 mg